皆さんこんにちは、るにまろです。
海外生活をしていると、日本では経験しなかった文化の壁にぶつかりますよね。
しかも、国によって文化は全く違うので、いくつかの国に住んでいても、毎回新しい発見があります。
私が(時には今でも)迷うのがズバリ『チップの相場』です。
なのでちょっとそれについて詳しく書いていきたいと思います。
日本以外の多くの国では、チップ制度を採用していることは、皆さん何となく知っていると思います。
でも、いつ・どのタイミングで・いくらぐらい支払えばいいのか、分からないですよね。
旅行ガイドブックには大体どこも『10%ほど支払う』などと書いていますが、本当に一律でいいのか、迷ってしまうと思います。
他にも、このような悩みがありますよね。
- サービスが良かったり悪かったりした場合は、どう対応すべきなのか?
- 現地の人たちは、どうやって支払っているのだろうか?
- どのようにチップを渡すのがスムーズなのだろうか?
日本にはチップ文化はありませんが、海外で生きていく中では、チップをスマートに渡せるかは死活問題。
ここでチップについて学んで、ドイツに来た際はスマートに支払っていきましょう!
ドイツのチップ事情。日本人はケチだと思われている!?
というわけで、日本にはそもそもチップ文化はありません。食事代にサービス料として含まれているからです。
しかし、それが幸か不幸か、外国ではあらぬ誤解を招くことがあります。
日本と同じ感覚で、お会計時にチップを渡さないと、あんなにフレンドリーだった店員さんの態度が目に見えてわかるほど、そっけなくなることがあります(たまに目も合わせてくれません)。
ドイツは法律で最低賃金が保証されているので、チップは『あくまで任意』なのですが、やはり幾ばくかの『おこぼれ』は、どのKellnerIn(ウエイター・ウエイトレス)も期待しているようです。
ただ、その中でも中国の方はチップを払わない場合が結構あるそうで、ドイツ人の知人が「アジア系はあんまり接客したくないんだよね、大体チップ貰えないことが多いから」とかなり正直に話してくれました。
ただそれに関しては、私自身も経験があるのです。
何年か前、中国人の若者カップル二人と中華料理を食べに行った際、最後に同じ中国系のスタッフとチップを支払うかどうかで揉めていました(中国語は分からないのでなぜ争っているか分かりませんでした)。
最後に友人が20セントを私に向かって「はい、これあなたの分のおつりね!」とキッチリ渡されたことを覚えています。
その時、話の流れで、その友人の彼氏(カップルの男性側)に「中国のチップの文化って、どんな感じなの?」と尋ねると、「チップはほぼない。本当に仲のいい店主とかだと、端数を丸めて渡すことがたまにある、と言った感じかな」と言われました。
この辺りは日本の感覚と共通しそうです。
気心の置けない居酒屋で、マスターに「いいよいいよ、おつりは取っといて!」と数百円オマケするような感覚だと思います。これなら、日本人も時々はやっていますよね。
なので、アジア系の人々はチップをあまり出さない人が目立つのでしょう。
だからドイツ(またはヨーロッパ)の方々にとって、『ケチ』とか、そういうイメージが付きやすいのかな、と思います。
じゃあ、レストランやカフェ、テイクアウトのチップの相場は?
ということで、チップの相場についてちょっと話してみたいと思います。
例えばオランダは基本的にはチップ不要だったり、逆にアメリカは15%が標準ラインで、サービス次第で10~20%に上限させるようです。
ドイツでは、基本的に数十セント~数ユーロも上乗せしたら100点です。
レストラン
テーブル会計のレストランだと、
- ランチの場合は、シンプルに端数を丸めるか、端数+1~2ユーロ程度でOK
例1)12.50ユーロであれば、13~14ユーロが相場。この場合15ユーロは結構多いです
例2)20.80ユーロであれば、21ユーロではさすがに少ないので、22ユーロが相場 - ディナーの場合は端数+1~3ユーロほど、食べた金額に応じて出すとスマート
例1)52ユーロなら、55ユーロほど出せば十分。54ユーロと刻んでもいいですが、合計50ユーロ越えはちょっと大きな金額なので3ユーロはありかなと思います
例2)95ユーロなら、98ユーロぐらいでしょうか。100ユーロは多いですが、出してしまうのもアリですね
複数人でレストランに食べに行ったら?
これは私が通っていた語学学校でドイツ人の先生が言っていたのですが、
例えば、5~6人で食べに行って総額が100ユーロぐらいになったからと言って、一人2ユーロずつチップを渡すのは割と多いからね。そういう場合は一人1ユーロずつも出せば十分よ。
by 当時クラスを受け持ってくれていた語学学校の先生より
だそうです。現地の方の言葉ってすごく役に立ちます!
◆チップの相場にまつわる失敗談
実は私、これをまさに身近に体験したことがありました。
私達夫婦二人、ドイツ人カップル2人で、日本食屋さんに食べに行ったんですね。
それでお会計となったとき、総額で92ユーロか112ユーロか、どちらかの数字だったことを覚えています。
この当時、そのレストランはときどき行っていたので、夫がキリ良く、100ユーロか120ユーロでOKと出したんですね。
つまり、この場合はどちらの金額でも、四人なのでチップ相場はまさに一人2ユーロです。
スタッフはとても喜んでいましたが、ドイツ人カップルの男性側は「え、マジ?」という顔をしていました。
日本食レストランだったので、ドイツ人の彼は夫の顔を立てて何も言わなかったですが、私はその香ばしい表情をヒシヒシと感じてしまい、こう思ったのでした。
「あ、やっぱりこれは多いんだな」と。
この場合でも、95ユーロか115ユーロか、これくらいの丸め方で良かったかもしれませんね。
現地の日本食レストランでは?
そんな感じで、日本食レストランに限らずですが、チップの渋りすぎもダメですが、チップの弾みすぎも考えモノですね。
ちなみに、当時ワーホリに来ていた日本人の学生さんから、日本人の客層について生の声を聞いたことがあります。
あ、いや。たとえ50セントでも貰えるだけで僕は全然嬉しいッス。
by 当時のワーホリの青年
逆にチップを一切払わない日本人のお客さんだと、「あ~この人たち、払わないんだな」って思いますね。
日本人って、なぜか日本人のサービスにお金を出したがらない傾向が強いです。
割とお金周りの良い人たちですら、です。日本の空間に入ると、日本と同じ感覚でいいだろう、ってなりがちなんだと思います。
でもここはドイツ。日本人の経営しているカフェやレストランでも、例え端数でもお支払いすることで、相手の印象はぐっと良くなるはずです。
ただでさえ、日本人がやっているおいしい日本食屋さんは少ないので、リピーターで通いたいなら、せめて上手くやっていきたいですよね。
カフェ
カフェもレストラン同様、店員さんがテーブルに食事を運んでくれて、テーブル会計の場合は、同じく端数を切り上げて出します。
合計金額が大体一人10ユーロ未満なので、店員さんもそこまで期待していません。
ドリンク一杯4.90ユーロでも、5ユーロでキリ良く渡せばOKです。
また、カフェカウンターで注文して飲み物を受け取る場合は、セルフサービスなので基本はチップ不要ですが、私のドイツ人の友人は、どの人も必ずおつりで来た数十セントのコインはチップボックスに入れていました。
例えば、ハンバーガーセット9.80ユーロの場合。
おつりとして戻ってきた20セントをそのままレジのチップ箱に放り込む感覚です。あまりお金のない学生も、これをスムーズにしていましたので、それが普通なんだと思います。
テイクアウト
テイクアウトは基本的に店内でサービスを受けないので、チップを支払う必要はありません。
しかし気になるようでしたら、カウンター注文型のカフェと同様で、出てきた端数をコインでチップ箱に入れると喜ばれるでしょう(マストではないです)。
ヘアサロン・ネイル・UberEatsなどの宅配サービスでは?
レストランやカフェの他にも、様々なサービスでチップが期待されている場合があります。
美容院・床屋・ヘアサロン・ネイルサロンのチップ相場
美容院やネイルサロンなどの美容サービス系も2ユーロ前後お渡しする感じです。
例えば、17ユーロの髪カット代金なら18~19ユーロ出したらOKです。
ネイルであれば単価も高くなりますが、それでも42ユーロであれば44~45ユーロ出すとかで十分です。
ちなみにコロナ禍で何ヶ月も美容院が閉まっていた時期があったので、夫はこれを機にバリカンを買いました。それ以来、髪カット代が掛からなくなって便利です。
当時は需要過多で、値段がやや高騰していましたが、今は落ち着いているみたいです。
ちなみに、こんな感じのを今でも使っています↓
パナソニック ヘアカッター バリカン ツーブロック対応 充電・交流式 黒 ER-GC55-K
UberEats系のデリバリー・宅配サービスのチップ相場
UberEats(ドイツではLieferandoが主流)のようなデリバリーサービスであれば、注文した金額に応じて、1~2ユーロ程度上乗せしてあげたらOKです。
ちなみに以前、ドイツのニュース番組でデリバリー配達員へのインタビューがあって、その中で「たまに50セントしかもらえないときがある」と答えていたので、肉体労働で数キロ走ってきた方々には、端数を丸めるだけの50セントはやや少ないかもしれません。
また他にも、大型家具を買って自宅で家具を組み立ててもらう時も、組み立て難易度(またはエレベータがない高階層のアパートなど)に応じて、2~5ユーロほどお支払いすることは全然アリだと思います。
もちろんマストではありません。
単に荷物を運んできてくれただけでしたら払わなくていいですし、もし組み立てまでしてくれたら、その時の状況で渡してもいい、というイメージです。
暑い日だったらジュースなどの現物支給もありかもしれませんね。これは日本と同じ感覚でOKだと思います。
このような感じで、ホテルなどでもそうですが、基本的に『人件費』については、少しお支払いすることを頭に入れておくと良いかもしれませんね。
まとめ
というわけで、今日はドイツのチップ事情とチップ相場について書きました。
住んでいる地域によっても多少異なることがあるかもしれませんが、おおむねこの感覚で間違いないはずです。
私は2016年からドイツに住んでいますが、未だに微妙な金額だと迷うことが多いです。
でも、ドイツ人もこの辺りの塩梅については『常に迷っている』ようで、また難儀な文化だなと思います。笑
チップで迷うのも、海外生活ならではの悩み。
せっかく旅行や留学、仕事などで滞在するのでしたら、ここは楽しんで悩んじゃいましょう!
以上、るにまろでした!
ここまでお読みくださいまして、ありがとうございます!
近々ドイツ(またはほかの国)にお引越しをされる方へ。
駐在でも留学でも、フリーWi-Fiを求めてカフェを探すのはとても大変です。
なので到着するとすぐにSIMを契約することになると思います。
ドイツでSIMを契約したい方は、私が以前書いたこちらの記事をご参考ください。
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