こんにちは、るにまろです。
引越し(または本帰国)が決まったらやることの1つとして、アパートの契約など、諸々の解約通知書を送ることがあります。
特に厄介と言われているのはインターネットの解約ですが、家やアパートは単価が高いので、こちらも期日をしっかり守りたいですよね。
そこで、今日はドイツで家やアパートを解約する時の裏ワザと、ドイツの郵便における書留(Einschreiben)について話していきます。
ドイツにおける家やアパートの解約に関して
アパートの解約に関しては、時には同じ建物内や近所に大家さんが住んでいるパターンもあり、直接手渡しができる場合もあると思います。
重要!ドイツ民法では基本的に全ての契約解除は『3カ月前ルール』が鉄則
ほとんどの場合、基本的にドイツでは何かの契約を解約するときは、解約したい月の3カ月前までに告知しなくてはいけません。
ちなみに、家賃に限って言えばこのような条文があります(※完璧な翻訳ではないので注意)。
(1)家の解約は、解約を予定している月から遡って、前々月の3営業日までは認められる(以下略)
§573c BGBより
(2)略
(3)略
(4)これら1~3項に反して、借主に不利な契約の場合は無効となる
例えば、10月15日に解約をしたい場合。
これは日割りはできないので必ず月末解約(つまり10月31日)になります。
この場合は、一番遅くても8月3日までに大家さんに手渡し・またはポストに投函されていればOKです。
ただし、全ての大家さんが賃貸法に長けているわけではないので、月を跨ぐとちょっとしたトラブルにはなるかもしれません(法律で書かれているとはいえ、少なくともいい顔はされない可能性があります)。
なので、一般的に広く認知されている『3カ月前』、つまり10月31日解約であれば7月31日までに解約通知を送れば一番確実です。もちろんもっと早くてもOKです。
Q. いつを持って書類が届いたことになるのか?
郵送で解約通知を送る場合、ドイツ民法(§130 I BGB)では、直接手渡しができない場合、基本的には『書類が相手のポストに投函された日』を持って、〆切に間に合ったかそうでないかを判断しています。
というわけで、〆切直前に契約解除通知書をただポストに入れたり、普通郵便で送るのはオススメしません。
なぜなら届いたかどうか、こちら側ではもう確認できなくなりますし、大家さんが意地悪な方なら「いいえ、届いていませんよ?」と言われてしまえば、太刀打ちできなくなるからです。
しかし、どうしても〆切間際に送りたい場合、どうしたらよいのでしょうか?
〆切直前!どうする?【回答】第三者の立合いのもと、直接ポストへ投函
それでは、〆切間際に大家さんに解約通知を手渡しする予定が、不在でいなかった場合の対処方法です。
こちらは賃貸法を専門にされている弁護士の先生に直接聞いたお話なので、豆知識として残しておきます。
- 解約通知書を作って印刷、自分でサインをする
- 知人・同僚・友人などの第三者に、そのサイン済みの解約通知書を読んでもらい、そのコピーを渡す
- その第三者に、あらかじめ作っておいた下記のような用紙を渡して、日付・場所・直筆サインをしてもらう。
『私、○○(友人などの名前、生年月日)は、確かに△△(あなたの名前、生年月日)のアパートの解約通知書の原本を読み、DD/MM/JJJJ XX:XX(年月日・時間)に△△が□□(大家の名前)のポストに解約通知書を直接投函した時に立ち会いましたことを、Zeuge(証人)としてここに署名します』 - その第三者の証人の原本は、自分で持っておく。コピーをその第三者本人に渡しておくと良い
- 実際に大家のポストの前まで行き、第三者に見届けてもらい、ポストに投函して、終了!
というわけで、〆切間際に大家さんのポストに直接投函する場合の裏ワザをお伝えしました。
しかし、どちらにしてもここまでするのはストレスですし、面倒ですよね。
しかも大家さんが遠方にいる場合は、どうしても郵送しなくてはいけないので、この手法は使えません。
なので、下記はドイチェポスト(Deutsche Post)の書留の種類について、記しておきます。
ドイチェポストの書留(Einschreiben)について
ドイツの書留それ自体は、日本のそれと性質は同じです。ただ種類が多いので、纏めます。
ドイツの書留の種類について
一般書留(Standard)
こちらは俗に言う普通の書留です。
本人か家族など、どなたか書留を受け取られた方がサインをする形です。
契約解除の通知書は、こちらを使うことが一般的で、ドイチェポストも一般書留の使い方として載せています。
デメリットは、受取り拒否をされた場合です。その場合、そのまま自分に舞い戻ってきます。
簡易書留(Einwurf)
このタイプの書留は、郵便配達員が手紙をポストに投函した日時を記録に残すタイプです。
郵便物は直接、相手の郵便ポストに投函されます。
簡易書留の利点は、まさに「〆切が差し迫っているもの」に対して強いことです。
一般書留は受取人(家族なども含む)のサインがいるので、一人暮らしで出張中・サマーバケーションなどに入られていたらほぼアウトですよね。
なので、何かの応募書類など(もちろんアパートの契約解除通知書も含む)、〆切が明確に定められているものに関しては、郵便配達員という第三者が、いつ相手のポストに入れたかが記録として残るため、便利です。
さて、ここからは一般書留のオプション的な部分なので、書留代はもう少し高くなります。
一般書留・簡易書留が2.50ユーロぐらいに対して、以下は+2.20ユーロほどかかります。
本人手渡し(Eigenhändig)
これはその名の通りです。本人または家族などの『委任状がある方』のみが受け取れます。
こちらはもし当日受け取れなかった場合は、最寄りの郵便局に戻され、7日以内に本人などが直接取りに行く必要があるので、面倒レベルがグッとアップしてしまいます。なので解約通知書などには向かないでしょう。
返信ハガキ付(Rückschein)
こちらは受取者本人が、返信ハガキにもサインをするパターンです。小さなハガキが、相手のサイン入りで後日自分の手元に戻ってきます。
自分にも受取者本人からのサインが届くので、最も確実な書留ではありますが、こちらも本人手渡し同様に面倒なタイプです。解約通知書にはあまり向かないでしょう。
貴重品(Wert)
通常の書留では現金・貴金属・商品を送ることはできません。貴重品の書留でのみ送ることができます。
日本で言うところの現金書留だと思いますが、今回の話題とはズレますので、詳しくは割愛します。
以上です。
日本でもそうですが、ドイツでも大事な書類は書留で送りましょう!
まとめ
そんなわけで、今回の記事は以上となります。
アパートの解約という重たい作業ですが、〆切に余裕を持っていればトラブルになることはまずありません。
急に引っ越し・帰国が決まったなどで困った時は、こちらの情報を是非参考にしてみてください!
ここまでお読みくださいまして、ありがとうございます!
近々ドイツ(またはほかの国)にお引越しをされる方へ。
駐在でも留学でも、フリーWi-Fiを求めてカフェを探すのはとても大変です。
なので到着するとすぐにSIMを契約することになると思います。
ドイツでSIMを契約したい方は、私が以前書いたこちらの記事をご参考ください。
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